> 2025/12/04 02:50
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このひとたちまた喧嘩したみたいです。
……喧嘩というか、お話し合い、すり合わせ? いやでも、今回は僕が感情的に刺々しい言葉を吐いてしまった。反省会、定期開催してます。毎回、僕が凹む→伊沢がなんか言う→ウギャーとなる→二人で泣く、みたいな流れだよな。じゃあやっぱ悪いの僕じゃん。
望むものをあげられない、って伊沢は良く言うけれど、僕が望むものって何なんだろう。ゆるされて際限なく求めてしまうのが怖い。ほしがって搾取してしまうのが怖い。いいよ、と言われてもどこまでいいのかわからない。ここまではゆるしたけどここから先はゆるしていない、と引かれた線の判断がつかない。これはきっと、僕の致命的な欠点だ。だからいつだって大事な人を傷つける。……繰り返したくないのにな。
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寒くて眠れない夜。ひとりでまあるくなっていた頃を思い出す。冷えた爪先を擦り合わせて、両手を身体の前に抱き込んで、息をひそめて長い夜をやり過ごす。初めて伊沢と出会った時もそうだった。ひとりきりの夜は長くて、ただぬくもりがほしかった。今は、伊沢の寝顔を眺めながら、もらった言葉たちをなぞっている。眠気の訪れない夜でも、大丈夫だと思えるようになった。明日もきっと伊沢は変わらずそばに居てくれて、けれどそれを当然のものだとは思いたくない。
あの日の僕は、ひとりきりでも大丈夫になりたかったんだ。本当だよ。ひとりで、夜を越せるようにならなきゃ、って。それなのに伊沢は僕に体温を分けてくれる。分かち合ってくれる。そんなあなたが、どうか、どうか損なわれないように、どうか不幸になりませんように、僕の存在があなたを苦しめてしまわないように、と、遠い朝を待ちながら、夜な夜な祈っている。